《メモ》東京国際文芸フェスティバル2016

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東京国際文芸フェスティバル2016(文芸フェス)に行ってきました。

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3.2〜3.6の間、世界の著名な作家もお呼びして様々な催しが行われます。
僕が参加したのはこちら。

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文学は国境を越え、世界中の読者と出会う
海外文芸誌編集長と語る “世界文学”の創作現場

登壇されたのは、

ジョン・フリーマン:英語系最大の文芸誌『グランタ』の元編集長で、現在文芸誌『フリーマン』編集長。
中村文則:小説家。2002年に『』で第34回新潮新人賞を受賞しデビュー。2004年『遮光』で第26回野間文芸新人賞、2005年『土の中の子供』で第133回芥川龍之介賞、2010年『掏摸(スリ)』で第4回大江健三郎賞を受賞。
平野啓一郎:小説家。1999年『日蝕』により第120回芥川賞を23歳で受賞。2008年三島由紀夫賞選考委員に最年少で就任、2009年『決壊』で芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞、『ドーン』でBunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。

中国の女流作家・盛可以さんは訳あってご登壇キャンセルに。
面白かった学びをいくつかメモ。

◆フリーマンさん
・文学は、人間性を複雑化する
・決して「固まらない」こと。自分のテイストにこだわったら同じものしか作れない
・作家に強制はしない。作家の声を助け、自分の本にしてあげることが仕事
・書くということは主に「失敗」であるから、作家に失敗する時間・ゆとりを与え、いい失敗をさせてあげる
・教師の役目は生徒に「シニカルであることをやめさせる」こと。シニカルになると世界が狭まる
・長編小説の一部を独立させて短編として打ち出すことがある
優れた小説は、カテゴリーを与えようとすると、そのカテゴリーを拒否して、はみだそうとする
・距離感が破綻するとドラマになる

◆中村さん
・プロの作家じゃなくても、書き続けていると思う
考え過ぎると辞めざるを得なくなるから、自分のビジョンを信じて書く
・研ぎ澄まされた小説にとって「絵」は邪魔になる
・登場人物に憑依して、「その場にいて動いている」ように書く
・作家志望の人は、PCで自分の文章を読み返さないように。プリントアウトして寝かせて、客観的にテキストを見直す

◆平野さん
・「書きたい」以上に、「書く必然性がある」ものを書いている
・「書きたい」ではなく、「自分が読みたい」「世に存在していてほしい」ものを書くこともある
・ビッグデータが多くを決めていて、私たちは「自由に選んでいる気になっている」だけ。自由意志はどこまで存在しているのか?
・(例えば『罪と罰』)一人のおかしな青年の中に、その時代の人間性が映し出される
・ニヒリズムでルポ的に社会の闇を書くだけでなく、読者はその先を求めている
・日本の出版社は社内異動が多い。作家は美容院(出版社)ではなく美容師(編集者)で選んでいる面もある
哲学はカテゴリーから入って個人に引き寄せるが、小説は具体的な一個人から始まってどこかで普遍に触れる。赤の他人の物語がどこかで普遍にたどり着くかどうかのカケで書いている
・電子書籍であれもこれもできる(音をつけたり)だったが、どれもうまくいかなかった
実際に経験してしまうと書けなくなるのでは。作家は精神破綻をしない安全な場所から憑依して書くという機能を持っている

編集者・作家、どちらの立場からも話が聞けて面白かった。
特に平野さんは印象的な言葉は多かった。
深く考えているだけじゃなく、その都度しっかり言語化して整理して生きているんだな〜という印象。

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