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優しい子に育てるには、まずは自分が優しい人であれ:『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』

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ほぼ日の対談を読んでとても気になっていた幡野広志さん。34歳にして、多発性骨髄腫を発病し、余命3年を告げられた写真家。2歳の息子を持つ。

 

ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。
ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』(PHP研究所)

 

死を前にした人の言葉とは思えないくらい、悲壮感はなく、冷静で、でもあたたかい。優しく、でも厳しくもある。一貫して感じたのは、本当に真っ正直な方だということ。外向け用の言葉ではなく、全部本心で書かれていると強く感じたし、そこが一番魅力的だった。

この本は、子育てをしている人にも多く読まれるのだと思う。だけど、「子どもをどうするか」という他動詞の本ではなく、「自分がどうあるべきか」という自動詞(というかbe動詞)の本だと感じた。優しい子に育てるには、まずは自分が優しい人であれ。まずは自分自身がその理想の姿であろうとすることをとても大事にされている。

ある章で、幡野さんのライフワークの一つでもある、生々しい狩猟のシーンが出てくる。描写が半端ではなく、動物を撃ったときの鼓動、高揚感、血の匂い、内臓の熱が、その場にいるかのような感覚で伝わってきて、実はこの本の中で一番「命」というテーマを感じた。この方の、このテーマの本を読んでみたいと思うくらい。

もっと知りたい、経験したい、という世界への好奇心が素敵だった。読んでいて、自分ももっと世界を広げたいという思いに駆られた。

将来幡野さんのお子さんがこの本を手に取ったときも、きっとそんな思いを持つと思います。書いてくださって、ありがとうございました。

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