ウルトラマラソン挑戦記〈4〉:南伊豆町みちくさウルトラマラソン・75kmに挑む。

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前日

11月11日(金)。
前日受付のために、有給をとってスーパービュー踊り子に乗り込む。
ポッキーもプリッツも食べず、炭水化物をとにかく多く摂取するために、
幕の内弁当と特大おにぎりを頬張りながら。

この週はずっと風邪に苦しめられ、棄権することも考えていた。
でもいつだったか、

「できないことに紛れ込ませて、できることまで諦めてはいけない」

と自分で言っていたのを思い出した。

たとえゴールできなくても、5km地点まで走れたら、何もしないよりはいい。
たとえ出場できなくても、現場まで足を運べたら、何もしないよりはいい。

「まずは行ってしまえ」

と、咳き込みながら電車に揺られ、終点の下田駅に向かった。

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そっぽを向いた駅長に「ウェルカメ」された。
あまり歓迎されている気はしない。

そういえば、下田といえば「開国の地」だった。

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司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を持って来ればよかったと後悔。
リュックに詰めていたのは吉川英治の『新・平家物語』だった。

受付は夕方までやっているし、急ぐこともないので、バスを一本遅らせて海の方へ向かってみる。

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ペリーかな。

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遊覧船「サスケハナ号」と、開国の海。
当時の人たちが、突然の変化をどんな想いで受け入れていたのか、少し想像してみる。

あのおっかないペリーの顔が、その気持ちを表しているようにも思える。

 

バス停に戻り、宿の最寄りである「日野」へ向かう。
「ひの」ではなく、「ひんの」と読むらしい。

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町はマラソンモードに。

直前に観光協会に問い合わせて紹介してもらった宿が、「サンフレッシュ小島」。
どこかのサッカーチームみたいな名前に親近感を感じた。
マラソンのスタート地点からも近いということで、迷うことなくここにした。

着いてみると、一階が布団のクリーニング店になっていて、太陽光をたっぷり吸った布団のとてもいい匂いがした。
出迎えてくれたお母さんもとても親切で、近隣の情報を色々教えてくれた。
レンタサイクルも無料。屋上の露天風呂は24時間開放。

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部屋もええやん。
ベランダへの窓を開けると…

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スタート&ゴール地点、目の前やん。
ゴールしたらそっこー風呂に入れるやん。

最高か。

でも、「近いからあと5分寝れる」理論でスタートに遅刻する光景が目に見える。
危険だ。

 

レンタサイクルを借り、10分ほどこいだところにある湯の花観光交流館で前日受付を済ませる。

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頭の中に「ここでは伊勢海老が食べられる」という情報がインプットされる。

買い出しついでに、日が落ちるまでチャリで近隣を回ることに。

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温泉町。
あちこちに湯気。

海まで行きたくなってしまい、川沿いを下っていく。
日も落ち始め、夕空と水面がとても綺麗だった。

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15分ほどこぐと、地鳴りのような音が聞こえてきた。

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海だ〜〜〜〜〜

途方もない気持ちになるね、海を見て、海を聴いていると。
体をほぐしながら、30分くらい眺めていた。

暗くなり、少し寒くなり始めたので帰り支度をして振り返ると、レストランに、

「伊勢海老ラーメン」

の文字が。
ナンテコッタ。

でももう、パスタやら何やら色々買い込んでしまっていたので、仕方ない。
仕方ないから、両方食べよう。

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「カーボローディング」という使い勝手がいい口実のもとに、ペロリ。

食べ終わると、まだ17:00台なのに、もうだいぶ暗くなっていた。
夜道の自転車は、5年前のチャリ旅の時も心細く、苦手だった。

宿に帰り、屋上の風呂へ。

名温泉を探して入りたいが、長居してしまって前日に筋肉を緩めすぎるのも良くない。
今日は宿備え付けの風呂で我慢我慢。

などと思っていた自分が馬鹿だった。

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虫さんは苦手だけど、「きれいなお嬢さん」ではないので大丈夫。

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くるっ…

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これ、一択ですか…?

なかなかユーモアが効いている。
屋上への扉を開けると、露天風呂出現。

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凄まじい予感と共に扉を開ける。

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月明かりの下で、貸切露天。
最高か。
間違いなく、これまで見てきた中で最高の名湯。

「今日はここで、我慢我慢」

とか、ごめんなさい。

 

最高のリフレッシュを終え、部屋に戻ってまた炭水化物を食べる食べる。
19:30から、マラソンの前に勝たなければならない戦いが始まる。

サッカー、キリンチャレンジカップ。
日本vsオマーン。

このために「テレビ付き」を絶対条件にしていたのに、
残してしまっていた仕事と明日の準備に追われ、ほとんど見れず。
とりあえず大迫「ゆうや」が2得点の活躍をしたので、縁起はいい。

翌日は5:00スタート。
3:00には起きて、朝食や準備をする必要がある。
なので、21:30には寝ようと思っていたけど、眠気がやってこず、
本を読んでいるうちに就寝は23:00頃になってしまった。

風邪っ気が戻ってきて、鼻水が止まらず、喉も痛い。
起きてよっぽどひどかったら、やはり走るのは難しいか…

 

 

当日

スタート前

3:00前に起床。
幸いにも、風邪っ気も喉の痛みもだいぶ引いていた。
これならいける。

前日かなりの量を食べていたので、やや胃もたれ。
朝食は、バナナ豆乳とパウンドケーキ2つに抑える。

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4:00を過ぎると、外が騒がしくなり始める。

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着替えを済ませ、走るときに身につけるものを精査する。
直前にランニング用のポシェットを買っていたが、意外と入らないことに気がつく。
試行錯誤の末、予定より大幅に荷物を減らす。

・iPhone
・小型充電器とコード
・目薬
・点鼻薬
・ヘッドライト
・アミノ酸サプリ

1日通して10℃を切らない予報だったので、ウィンドブレーカーも置いていくことに。

4:30過ぎに会場に移動し、ウォーミングアップ。
2週間全く走れなかった不安はあったが、そのおかげで休息できたのか、身体は軽い。

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(75kmですけど…)

いよいよスタート。

 

第1区間(〜6.7km):星空の下

まずはこの区間を走る(水色)。

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スタート地点を離れていくと、すぐに真っ暗に。
ヘッドライトがないといけない意味がわかった。

よそ見危険だけど、星空が素晴らしく走るどころではない。
もうこの時点で、この大会にこれて良かったと心から思った。

歩道は狭く、序盤で混み合っているので、ゆったりと走る。
身体を温めるにはちょうどいい。

数km進むと、海へ向かう長い下り坂に差し掛かる。
空が白み始めている。

ヘッドライトを消して、ポケットにしまう。

夜明けが近づくと同時に、海が見えた。

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テンション上がる。
ほどなく、最初のエイドステーション「大浜・駐車場」に到着。
6.7km地点。

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ちなみに、75kmの部では15か所のエイドステーションがあり、それぞれで補給できるものが違う。
レース後に体重が増えている人もいるという、伝説のグルメレース。

スタート直後の地点なので、人が固まっていてだいぶ混んでいた。
結構時間を食う。

記念すべき一つ目のエイドステーションのラインナップはこちら。

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いきなり味噌田楽!

が、まだお腹は空いていなかったので、腹痛を恐れて、

・レモンの砂糖漬け
・一口チョコレート

のみに。

ランニングアプリを確認しようとiPhoneを見ると、なんと画面が反応せず動かないというトラブル。
一度電源を落としてなんとか直ったけど、ポケットの中の湿気に気をつけなければと反省。

軽くストレッチを入れて、出発。

 

第2区間(〜15.4km):ウルトラの戦い方

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エイドを出ると、すぐに上り坂が。
都会のランニングで見るような坂ではなく、海岸線特有の峠型。
チャリ旅の時も、この上り下りに苦しめられたのを思い出す…

トライアスロン経験者に、

「上り坂は歩け」

と事前に言われていた。
周囲の人たちも皆、ある程度の傾斜になると歩いていた。

なるほど、これが長距離の戦い方なのか。

トンネルも現れ、いつものランとは全く違うことを強く意識。

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朝がやってきて、雲間から幻想的な光の柱が。

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こんな景色が続くのなら、いくらでも走っていたい。

と思いつつ、懸念が発生。

右足のアキレス腱が痛み始めた。
高校の時にアキレス腱炎をやったことがあり、かかとからふくらはぎまで、
くびれがなくなり同じ太さになってしまうくらい腫れ上がった。
動かすとギシギシと握雪音(あくせつおん)が鳴り、無理したら切れそうな痛みが続いた。

まだそこまで悪化していないけど、序盤でこれはまずい。
できるだけ負担をかけないように走るが、その分別の場所に負担がかかって不調につながらないかが心配。

10kmを過ぎたあたりで、海岸線からやや内陸に入っていく場所に差し掛かる。
係りの人に配られた注意書きには、

「この先タライ岬は、国立公園につき走行禁止」

の文字。

マラソンなのに走っちゃダメなの…?
行ってみてわかったのは、「走ってはダメ」以前に、「走れない」。

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30分ほど、普通のハイキングに。
道はぐちゃぐちゃにぬかるんでいるところもあり、大渋滞。

時間のロスが…

ペース決めるのに、こういうことも配慮しなければならないんだな。

ゆっくりだったので周りを見る余裕ができて気づいたのが、
なかなかお年を召した方々が多いということ。
60代くらいの、その辺にいそうなおばちゃん達も。
すごい。

難儀なコースだったけど、景色はやはり綺麗だった。

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岬を抜けると、前日にチャリで見に来た弓ヶ浜に到着。
案内には載っていなかったけど、ここにも一つエイドステーションがあった気がする。
チョコレートと飴を食べて、ストレッチを入れる。

10月にフルマラソンをやった時に後悔したのが、ストレッチの箇所が少なかったこと。
ももやふくらはぎは何度も伸ばしていたけど、大臀筋を放っておいたので後半かなり辛かった。

一度固まってしまってからでは遅いので、時間をかけてでも伸ばす。

川沿いに内陸に入り、橋を渡ってUターンして再び海岸線に近づいたところで、エイドステーション「手石・伊豆漁協」に到着。

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アジの干物がうますぎる…
梅干しで塩分も補給。

日もしっかりと出てきて、汗の量が増えてくる。
水分補給の量も少しずつ増やしていく。

 

第3区間(〜19.2km):挑戦の中でこそ実験を

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実は、あまり風景など記憶に残っていない区間。

ただ、アキレス腱の痛みが気にならなくなってきたところだったと思う。
そして、走り方を思い切って変えた。

これも「登りは歩け」のアドバイスをくれた人(社長ですが)からの言葉で、

「膝を絞れ」

どうも「がに股」らしく、いつも10数キロで左膝が痛くなり始めるのは、
持病もあるけど、角度がいけないのではと思い始めた。
同じように痛み始めたら、今回の距離はとても走りきれない。

そこで、膝がまっすぐに曲がり、まっすぐに伸びて抜けるように、少し内側に絞って走るようにした。
そして、足で走るのではなく、骨盤を回転させる力を推進力にして、
足はそれにくっつけていくだけにして負担を減らした。

振り返ると、今回のレースの大きな勝因はこの走り方のチェンジにあったと思う。
これまでなかったほどに足が長持ちした。
この発見は本当に大きい。

とても敵わないであろう未知の相手と戦っていると、一つ上の自分を見つけられる。

礼を言う
おれはまだまだ強くなれる

ゾロやな。

リズムを作れ始めたところで、エイドステーション「大瀬・アロエセンター」に到着。

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少しお腹が減り始めてることに気づき、ここでは思い切ってうどんに手を伸ばす。

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信じられないほどうまい…

見たことないくらいに大きいアロエが入ったヨーグルトもいただく。
ここが最初の足切り関門だと勘違いしてホッとしていたが、よく見たら次のエイドだった。

でも次まで2kmしかなく、時間も余裕があったので気楽に。

 

第4区間(21.2km):ここからが本番

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何事もなく進んでいくと、目の前にトンネル。
その入り口の左手に急な下り坂があり、そこから先行ランナーたちが登ってくる。

どうやら、一度降りて、また登ってこなければいけないらしい。

こういうのが一番きついんだよね…
仕方なく下っていくと、エイドステーションの前に最初の足切り関門が。

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だいぶ余裕はあったけど、「おめでとうございます!」と言われるとやはりホッとする。
真横にあるエイドは、この先の名所「石廊崎」まで行って戻ってきてからじゃないとありつけないよう。

岬といえば、上り坂…
しかもめちゃめちゃ急な。

どう考えても走る場所ではないので、またしてもハイキング。
かなり足にくる。

その先にあったのは、伊豆半島最南端地点。

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これは感動…苦労した甲斐があった。

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のんびり眺めていたいところだけど、そうもいかないので、
横にあった神社で手を合わせてからUターン。

今度はものすごい急な下り坂。
この後嫌という程痛感することになったのが、この下り坂の苦難。
登りで遅れが出た分、下りで取り返せると思ったら大間違い。
傾斜が緩ければスピードも出せるけど、ある程度急になると、膝への負担が大きい。
もともと膝が悪いので、かなり気をつかって下らないとパキッといってしまう。
ので、結局スピードを出せず。

目の前に、綺麗な白髪をした70代と思われる女性が。
ゼッケンには「100km」の文字。
すでに僕よりよっぽど遠回りコースを走ってきたはずなのに、前にいるって…
いつの間に抜かれたのか。
本当に、頭が上がらない。

元来た道を何とか下りきり、エイドステーションに。

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最初に横を通った時から良い匂いをプンプンさせていたカレースープ。
激ウマ。2杯飲む。

21.2kmということは、ここでちょうどハーフマラソン終了くらい。
疲れはまだまだ大丈夫だけど、地図を見るとここからが大変。

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標高がこれまでの2倍くらいに。

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この道のくねくね感。
くねくねと行かないと登れないということだからね。

ここからが本番だと思うことに。

 

第5区間(〜27.2km):月に代わってお仕置き

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覚悟はしていたけど、

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坂、坂、坂…

疲労と距離が比例しない。
まだ時間は余裕あるものの、この先もこんなのが続いたら間に合わないのではと不安になり始める。

この区間で最も辛かったのは、「セーラームーン」の存在。

20km地点ともなると、全体的には人がばらけ始める分、ペースが似ている人が固まり始める。
そして不幸にもペースが重なってしまった一人に、セーラームーンがいた。

コスプレ。おっさん。
超ミニスカートの下に、キタナイモモウラ。
上り坂で辛くなり、なんとか顔あげると、その先にキタナイモモウラ。

ペースを崩したくなかったけど、この人を追い抜いてしまわない限りは、精神的にやられる。
そこで、ある上り坂の終わりが見えてきたあたりで思い切って走り始めた。
セーラームーンを追い越し、下り坂に差し掛かったところで一気に距離を離す。

一安心かと思いきや、今度は後ろが気になり始める。
静かな山道に、追ってくる足音。
振り返ると金髪のセーラームーン(おっさん)が追ってくる。

ホラーか。

おそらく、この区間のペースはかなり早かったのではと思う。
人間、恐怖でも頑張れるのだと学んだ。

恐怖に耐えたご褒美か、階段の下にエイド「奥石廊崎・ジオパーク」を発見。

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今回は建物の中。

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ここでまさかの「メロンパン」が。
食べなければと思ったけど、レース中はちょっときついなと思い断念。
ひらメロンパンさん、ごめんなさい。

ところてんゼリーをいくつか食べて、カルピスを飲む。
ボランティアの女性たちが美人ぞろいだった。
その美女たちが「かわいい!」と揃って叫んだ先、すなわち僕の後ろには、セーラームーンが並んでいた。

嘘はやめなさい。

モモウラはキタナくても、景色は素晴らしい。

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第6区間(〜31.9km):30kmの壁

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いよいよ30km台に突入する区間。

「30kmで一つの壁が来る」

というのはいろんな人に言われてきたこと。
だけど、エイドを出た足は、信じられないほど軽かった。

7月に練習を始めて、ハーフマラソンがやっとだった時は、
体が軽くなるピークは7km地点くらいだった。
距離を伸ばすごとにピーク地点を後ろにずらせていけたが、
この時は30kmまでピークをずらせていた。

やはり、練習の効果が出ているんだなと、嬉しくなる。

道は内陸に入っていき、海とお別れ。
トンネルに入る手前で、「次のエイドは何が出るんだろう」と走りながらMAPを眺める僕に、
「次は何ですか〜?」と語りかけてくるランナーがいた。

猪汁。

「それ、前評判で一番うまいと聞いていたやつです」
とそのランナーは言った。
お互い、テンションは最高潮に。

猪のことだけを考えて、次のエイドへ猪突猛進。

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待ってました!

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まあ、激ウマですね。

二杯食べたかったけど、その後のことを考えて我慢。
代わりに、疲労に効きそうな黒蜜とお酢のところてんを食べる。
これはうまい…

食べ物に大満足するも、ふと足の疲労に気づく。
さっきまで軽かったはずなのに、だいぶだるくなっていた。
やはり、30kmの壁か。
少し長めにストレッチを入れる。

 

第7区間(〜35.6km):run to eat

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序盤は「なんて楽しいんだ!もう15km終わっちゃったの?」なんて思っていたけど、
このあたりから疲労と不安が強まり始める。

「八の字」を描く今回のコースの、最初の円が終わる。

次またこの交差点に来た時は、ゴール間近。
そこまで耐え切れれば、あとは気合でなんとかなるだろうと、気持ちを強く持つようにする。

それでも、周囲に立ちどまってしまったり足を引きずったりする人たちが目立ち始める。
「大丈夫ですか?」と声をかけあう姿もちらほら。
みんな辛くなり始めている。

そんなランナーたちを励ましてくれるのが、やはりエイド。

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天然酵母パンに、机に置いてあった蜂蜜を拝借してかけまくって3きれ食べた。
「あら、蜂蜜かけて食べるなんて、余裕あるわね」
とボランティアのおばちゃんに言われたが、蜂蜜補給しないとまずいくらい余裕ないのが本音。

かぼちゃスープが激ウマ…

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3杯飲んだ。
しかし、こんだけ食って飲んでしながら走っているのに、一回もお腹が痛くならない。
練習の時は補給の量に気をつかっていたけど、体が求めるままに補給するのが一番いいのかもしれない。

 

第8区間(〜37.6km):もう一度言う、「run to eat」

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やはり疲労が色濃くなってきている。
休憩直後しばらくは、足がかなり痛い。
いきなりスピード出さないように注意を払う。

この区間はあまり記憶がない。
多分、この写真はここの区間だったと思うけど。

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エイドのご飯のことばっかり覚えているな…
まあでも、これがウルトラマラソンの楽しみ方かもしれない。

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よく非国民と言われるけど、餅は食べられないので、
味噌大根、温州みかん、玉ねぎの味噌汁をいただく。
どこで何食ってもうまい!

 

第9区間(〜42.2km):苦難の始まり

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早々に、100kmの部の人たちとコースが分かれた。
彼らは遠回りをしなければならないらしい。
ちょっとそっちの道も見てみたい気もしたけど、そんな余裕はなかった。

分かれ道の誘導ボランティアさんから、

「半分です!」

の声が。
37.6km、そうか、ここで半分…

「まだ半分っすか」

と、思わず返事してしまった。

聞きたくなかった〜〜〜
と思うくらいには疲れていた。

急な坂はないものの、緩やかに登り続ける。

困ったことに、ここで風邪が悪化。
呼吸で咳き込んでしまうし、頭痛も少し始まり、体が熱っぽい。
やはり治りきっていなかった…
無理はできないし、少しペースを落として、
もしこれ以上ひどくなったら残念だけどリタイアも考えようと決めた。

この区間はとても長く感じた。
このレースで始めて強い喉の渇きも覚えた。
エイドで補給していけばいいと思っていたので、水分は携行していない。
一番のミスは、お金を一切持っていなかったこと。
ランナーの中には、小さなリュックに水筒を入れていたり、
自動販売機で補給している人もいた。
エイドに甘えすぎたと反省…これは次の時に活かさねば。

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周りのランナーのお喋りもなくなり、しーんとした田舎道で、ただひたすら気だるい時間が続いた。
これならきっついの上り坂でゼーハー言っていた方が、まだ気が紛れるかもしれないと思う。

途中、キャンプの荷物を積んで自転車で登っていく外国人グループと遭遇。
登りは、チャリの方がきついんだよね…頑張って。

耐えて耐えて耐えて、待ちに待ったエイドに到着。

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全種食べる。
鶏飯にぎりは一口大にラップに包まれていて、

「ポケットにいくつか入れていきなさい!」

とボランティアのおばちゃんに声をかけられ、お言葉に甘えて2つお尻のポケットに入れる。
水もコップ7杯くらい飲んだ。

42.2km。
ここでようやくフルマラソン分。
ここから未知の領域というだけでチャレンジなのに、
地図を開くと、これまで見て見ぬ振りをしてきた「あいつ」が目に入る。

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バカイッテンジャナイヨ!!!

これまでと比べ物にならない坂が。
というか、山。
標高500mじゃないっすか。
5km登りっぱなしじゃないっすか。

周りのランナーたちも、テスト期間直前の学生みたいな顔をしていた。

 

第10区間(〜47.4km):期待禁物

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「ここはもう、走ることは諦めなきゃダメよ」

と、エイドのおばちゃんは言っていた。

「森林浴を楽しみなさい」

とも。
そういう場所なんだと、割り切ろう。
ストレッチをしっかり入れ、いざ、山登り。

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チャリで箱根を越えた時を思い出す。
曲がり角の次に、「今度こそ下りだろう」という淡い期待を託し、
そしてひたすら裏切られ続ける。

山を相手に期待を抱いてはダメだ。

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そうだ、ここは高尾山。
今自分は、レースの最中ではなく、高尾山の山登りを楽しみに来ているんだ。
と、言い聞かせながらひたすら登り続ける。
ごく稀に、走り抜けていく強者が追い抜いていく。
信じられない。上には上がいるんだな。

相変わらず頭痛も熱っぽさも抜けず、静かな山に咳をこだまさせながらただただ足を運び続ける。
無心。何も考えない。
アプリが、平均ペースが時速4kmくらいであることを告げる。

おそらく1時間くらい登り続けていたと思う。
時間の感覚もなくなるくらいただただ坂と向き合い、下を向きながら歩いていると、
上からボランティアさんの声が、

「もう少しで頂上です!」

やっっっとですか…
両腕を挙げ、ガッツポーズ。
恋しかった下り坂。
スピードを上げすぎないように気をつけながら少し下ると、エイドステーションが見えてきた。

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この登りの後なので、種類が豊富で豊富で…
コーラがありがたい!!!
炭酸抜いて欲しかったけど、これは最強の補給飲料。
梅干し、はちみつレモン、カステラ、おにぎりをムシャムシャと食べ、
めちゃくちゃ酸っぱい山桃ジュースを飲んでリフレッシュ。

長めにストレッチを入れた。

 

第11区間(〜48.9km):上ったものは、いつか下る

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ひたすら下る。
かなり急で、膝が痛む。
登りで時間かかった分取り戻したいのに、ここでもスピードを出せない。
とにかく怪我をしないように慎重に下る。
考えるのはそれだけ。

次のエイドまではあっという間。

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チャーシューと漬物を味わいつつ、ここはあまり時間をかけずにまた走り出した。

 

第12区間(〜53.1km):あとはゴールのみ

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まだまだ下り。
一生懸命登った500mをあっさり降りていくのだから、
いったい何をしてるんだろうとも思う。

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ちらちらと海が見え始め、ようやく長かった内陸が終わったと嬉しさがこみ上げる。
一番感動したのがここ。

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左手に登り道が見え、次はそこを行くらしいが、そのまま道沿いに下っていく方に誘導される。
またしても、一度下って、同じ道をまた登ってくるパターン…
でも下にエイドがあるらしいので、仕方ないので一番下まで下りきった。

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最終足切り関門突破。

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あとは時間内にゴールするのみ。
そのためにも、腹ごしらえ。

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漬物をトッピングしたとろろ飯。
最高…

飴玉をいくつかもらい、ポケットに放り込む。

 

第13区間(〜58.4km):猿、膝の破壊、神のエイド

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ここからまた登り。
地図を再確認すると、

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まだまだアップダウンが繰り返される…
最難関は越えたものの、油断はできない。

そういえば、スタート前、

「猿や猪が出ます」

とスタッフさんが言っていた。
猪は料理として出てきたけど、猿はおそらくそういう形では出てこないだろう。

と思っていたら、出ました、野生。
めちゃくちゃでかい。
それも1匹や2匹ではなく、道路上に10匹くらい。

めっちゃ怖い…

しかも、奴らは慣れているのか動じない。
幸いにも周りにランナーが数名いたので、引っ付いていってなんとか通り抜ける。
一人だったら怖くて通れなかったな…

結構なアップダウンがあったけど、さすがにやり方がわかってきたのか、
もうそんなに怖くはなくなっていた。

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少しずつ、夕方の気配が近づき始める。

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ペースが似ていて、何度も出会ったのが、この「伊豆の踊子」さん。

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(おそらく)夫婦でこの格好で走っていた。
コスプレで走る余裕があるの、本当にすごいと思う。

この下り坂でアクシデント。

傾斜が強い場所では飛ばしてはいけないと注意してきたつもりだったのに、
ついスピードを上げてしまい、左膝が「ピキッ」。
これはまずい、と思う痛み。

すぐに止まって休めたので大事には至らなかったけど、その後の下り坂はもう走れなくなった。
まだ20km残ってるのに、これは痛手。

でも、嘆いていても仕方がないので、悪化させないように気をつけながらやるしかない。

しばらく行くと、道から外れる上り坂の前にボランティアスタッフさんが。

「エイドステーションは上です」

出たよ…
すっ飛ばしてそのまま道なりに下っていきたい気持ちもあったが(膝的に無理だが)、
スタッフさんによれば「名エイドステーション」らしい。

気合を入れて険しい山道を登ると、

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賑わっております。
ラインナップは、

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神なのか。

今なら叫んでもいい。

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ヒャッハーー!!!

猪肉、馬すぎ。
いやいや、美味すぎ。

石廊イカ、お好み焼き、サザエ飯にぎりに、カニ汁、イチジクのワイン煮…

もう、ここに缶ビール持ち込んで、打ち上げでいいと思う。
うまいうまいと涙を流しながら、出発したくない気持ちを抑えつつ、
ストレッチをしっかり入れて次に備える。

さすがにボロボロになってきて、ストレッチがあまり効かない。
疲労が抜けないし、「疲れ」ではなく「痛み」が強くなってきている。

 

第14区間(〜62.2km):リタイアを横目に

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あまり記憶に残っていないのだけど、高低図によれば、ここからまた長い登りだったよう。

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60km。
くるところまできた。
フルマラソンが最高記録だったのだから、もう十分じゃないかとも思う。
でも、ここでやめたらもったいなさすぎる。
何より、まだ食べていないエイドがある。
(真面目に、これは本当に強い動機になる)

もう少しいったところで、また下りが始まる。
何回上り下りを繰り返してきたのだろう。

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日が沈み始める。

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心細くなるから、明るいうちにゴールしたかったのだけど。
それはちょっと無理そうだと悟る。

下りきったところに、屋内エイドステーションが。

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コーラ、ありがたい…
ここは全種食べた。

駐車場で座り込んでいるランナーと、電話で車を手配するスタッフの姿が。
リタイアか…
ここまで来て、悔しいだろうな。

長めにストレッチを入れて、ラストに備える。

 

第15区間(〜67.4km):大事なのは「あり方」

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ストレッチを終え、上り坂に挑む。

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次のエイドに着く頃には、もう日は落ちきっているだろうな。

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この区間もかなりの峠道だった。
こんなところで夜を迎えたくないなと思い、できるだけ前のランナーを見失わないようにペースに気をつける。

そんな中、20代前半の若者と、70代くらいの男性が一緒に坂道をかけ上り、追い抜いていった。
少しだけ聞こえた会話、

「残り10kmで、どれだけ頑張れるかが大事なんだよな。お先に」

そう言って一人前を行ったのは、おじいさんの方だった。
鉄人だな、ほんとに。

ウルトラマラソンをやれればそれなりに自慢できるのかと密かに思っていたけど、
700人が走っている大会に身を置くと、全然特別なことではない気がしてきた。

大切なことは、「何km走るか」ではなく、その距離を「どう走るか」。

It is not what you do, but how you think about what you do, that changes the world.

この言葉は最も尊敬する方から教わったもの。
大事なのは、挑む自分の姿勢、考え方やあり方。

誇り高く走り切ろうと思った。

が、またしてもアクシデント。

足がむくんできたためシューズがきつきつになっていて、小指の感覚がしびれてなくなっていた。
慌てて靴紐を緩めて調整したけど、痺れが消えない。
左足の親指の爪も圧死したよう。
何日か経って、黒くなって剥がれてしまうやつ。
幅広のシューズを選んでいたのだけど、それでも対応しきれなかったよう。

でももう残りは、痛かろうがなんだろうが足を前に運ぶしかない。

緩やかな下り坂が始まり、最後の大きな峠を登りきったことを知る。
もうゴールまで登りはない。

すれ違った町のおじいさんが、

「次のエイドまであとちょっとだよ!」

と励ましてくれたが、地元の方々の「あとちょっと」の距離感はなかなかのもので、
数キロあったんじゃないかと思うくらいは離れていた。
それでも、なんとか到着。

最後のエイドステーション。

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気温が落ち、ウィンドブレーカーを置いてきてしまったことを後悔。
できるだけ温かいものを身体に入れ、じっとしないようにする。

ストレッチを終えた頃には、辺りはもう暗くなっていた。

 

最終区間(〜75km):この走りを捧ぐ

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最後の7.5km。
ここまできたらもう走りきるしかない。

ヘッドライトをつけ、夜道に繰り出す。

かなり暗く、人がほとんどおらず、心細くなる。
スーパームーンの直前だったこともあり、月明かりはとても綺麗だった。
セーラームーンのことはすっかり頭から消え去っていた。
そんな余裕はない。

足がもつれてくる。
屈伸を入れようにも、思ったように膝が曲がらない。
無理をせず、ゆっくりと伸ばしては、また走る。

基本のフォームを思い出す。

腕は上ではなく、下げ目で前へ振る。
膝は内側に絞る。
骨盤を回す。

ラストスパートをかけるにはまだ早い。
こういう時こそ、基本を繰り返すこと。

最後のエイドから、何km走ったか?
あと何kmあるのか?
そもそも、道はあってるのか?

疲れと心細さのせいでわいてくる疑念を一生懸命ふりほどく。

何となく、見覚えのある道になってきた。
八の字の交差点。
戻ってきた。

本当にラスト。

べそかきそうになりながら、ライトが照らす一歩先をひたすら踏みしめ続ける。
ガソリンスタンドおじさんが「もうちょっとだよ!」と励ましてくれる。
「もうちょっと」はもう信じないが、笑って手を振り返す。

そういえばこの町にきてから、人で一度も嫌な思いをしていない。
前日から、すれ違えば挨拶してくれるし、扉を開けておいてくれるし、優しい人ばかりだなと。

いいところだなと思う。
またゆっくり来て、町の居酒屋さんに入り浸ったり、名所をゆっくりと回ったり、できたらいいな。

前日に食料を買い込んだサンクスの前を通る。
前日に受付を済ませた湯の花観光交流館の前を通る。

あの時はレンタサイクルで10分くらいだったか。
もう本当に、それくらいの距離しか残っていない。

ボランティアスタッフさんに、川沿いの道へ誘導される。
この道の先に、ゴールの青野川ふるさと公園がある。

「あと2km」

という声が聞こえた。

この日は、上司が突然亡くなってから一ヶ月の月命日だった。
いらないと言われるだろうけど、この走りは彼に捧げようと思った。

足が軽くなり、腕が上がり始め、この大会で一番のスピードが出た。
4分/km台は出ていた。
練習も含め、これまで走ってきた中で、一番無駄がないフォームだった。
まだまだスピードを上げられると思えるほど、体が軽い。
息を切らせながらスパートをかける。

明かりに照らされた公園が遠目に見え、音楽が聴こえてくる。

これが本当に本当の最後。

ゴールを横目に、公園横の歩道を駆け抜ける。
応援の人たちが沿道から声援を送ってくれる。
この先でUターンをして、ゴールをくぐるだけ。

最後の最後に、感覚がなくなっていた左足の小指に電気が流れるような痛みが走った。
ペースを上げたせいで、皮がズルッとむけた。

もはや、どうでもいい。

皮でも爪でも骨でもくれてやると思った。

Uターンをして、最後100メートルの直線。
ゴールテープとカメラが待ち構える。
猛スピードで行きたかったけど、前のランナーの直後だとテープを切れないと思い、少し距離をとる。
前のランナーがテープを切り、スタッフさんが張り直してくれたところで、最後のダッシュ。
最後くらい見栄を張りたい。

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マイクを持ったお兄さんが叫ぶ。

「“ウエムラ”さん、完走です!!」

最後に名前を間違えられるというひどい仕打ちが待っていたけど、
とにかく、75km完走。

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関東でも大会を開いている運営団体さん。
毎回ユーモアの効いた完走証を作ってくれる。

芝生に座り込み、鼻水を垂らしながら伊勢海老の味噌汁をすすり、サザエのおにぎりを頬張る。

最高の気分。

後ろを振り向けば、すぐ目の前が宿。
屋上にはあの露天風呂が。

最高。

こんなに素晴らしい競技はないと思った。

 

 

ウルトラマラソンを終えて

事前の体調もあり、完走は無理だと思っていた。
でも、苦しさ以上に楽しさの方がずっと上回る大会だった。
こんなにアップダウンがあるのは珍しいそうで、
それをやり切れたことは大きな自信になった。

とはいえ、本番は1月の宮古島100km。
制限時間は同じ14時間。

75kmで13時間かかっているようでは話にならない。

まだまだここからたくさんの課題を乗り越えていかなければならない。

◆下りで膝を壊さないスピードとフォームを学ぶ
◆平坦な道でもう少しスピードを出せるようにする
◆膝を絞り、骨盤を回す走り方をもっと定着させる
◆エイドでこんなにゆっくり食べている場合ではないかもしれない。でも食べたい。

そういう課題が見えたのも、やったことがないチャレンジをして、
その中でいろんな実験をできたおかげ。
できることだけをやっていたら見えてこなかったものばかり。

「挑戦が自分を高める」

という、とてもシンプルな一言が、今回の一番の学びだったと思う。

1週間が経ち、アキレス腱の炎症と左膝の痛み、そしてまだ咳が続くものの、
「早くまた走りたい」という想いが強まってきている。

ここから本番までの2か月をどう過ごそうか。
今回の喜びはそろそろ終わりにして、また次のチャレンジに目を向けていこうと思う。

 

最後に、挑戦前に決めたこと。

「走れたkm×100円」を、NPO法人CATiC(World Theater Project)に寄付しました。
普段映画を観る機会がないカンボジア農村部の子どもたちの元へ上映しに行く移動映画館。
約100円で一人の子どもに映画が届く。
少し早いけど、クリスマスプレゼントになればいいなと思う。

ご賛同くださる方は、ぜひ今回の走りに乗っかってご支援いただけると幸いです。

http://catic.asia/support_us

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